HISUI COLLECTION PHOTO SONG SHOW STAGE LOOK BOOK 鉛/鉛の服で放射能を防ぐことにはなりませんが、放射能を通さないという象徴的な意味合いを持ちます。また、鉛はウランやプルトニウムが放射能を出し尽くした後の物質と同位体であり、とても象徴的です。核物質が放射能のない鉛の同位体に到達するまでには、何回もの崩壊を繰り返さなければならず、これは地球の地形が変わってしまう遥か未来まで続く時間を必要としています。鉛は、そんな限りなくグレーな意味を持ち合わせた素材です。

ひまわり/ひまわりには、放射能汚染された土壌を改善していくといわれています。菜の花もチェルノブイリ事故以降、実験されてきたと聞きました。現実的に実用されるにはいくつかの問題点がありますが、自然の力で土壌汚染が改善されるのであれば、未来に希望を持つことができ、すこしでも不安を和らげてくれることになります。

聖母被昇天/ピーテル・パウル・ルーベンス作「聖母被昇天」は、「フランダースの犬」の中で、主人公ネロが毎日のように通って観ていた絵です。毎日眺めていくうちに画家になりたいという希望を持つことこそが、“とけさせてはいけないもの”であって、最後はまわりの人たちの誤解を”とかしていきました”。この絵を取り入れたのは、現在の私たちに必要な希望と同じではないかと考えたからです。またこの絵には、聖母の遺体が棺桶からなくなり、天に昇っていくところが描かれています。存在することに気が付く人、理解できない人の両者が描かれているのは、現在の私たちと同じに見えます。
東日本大震災以降、私たちは見えないものに不安を感じ、どう解決してよいのかわからないまま過ごしてきました。
その中で「melt」という言葉はとても重要な意味を持っています。
「melt」を今季のテーマに掲げ、現在の私たちの心情を表現しました。
これから長く続く不安と大きく変わる現実を、少しでも希望に変えていくために。 “Feeling of melting”